mashima
周囲を動かす人になる
仕事は、一人だけで完結するものではありません。
お客様がいて、仲間がいて、協力会社がいて、関係者がいて、いろいろな人の力が重なって初めて仕事は形になります。だからこそ、仕事で成果を出すためには、自分ひとりが頑張るだけではなく、周囲をどう前向きに巻き込めるかが大切になります。
ただし、周囲を動かすというのは、人を自分勝手に振り回すことではありません。強い言葉で従わせたり、勢いだけで巻き込んだりすることでもありません。
本当に大切なのは、自分がまず前に出て、目的を示し、周りの人が「それなら一緒にやってみよう」と思える空気をつくることです。

引っ張る人と、流される人
仕事をしていると、自分から場を動かす人と、周囲の流れに合わせて動く人がいます。
周りに合わせる力も大切ですし、人の意見を聞く姿勢も必要です。しかし、いつも誰かの判断を待ち、誰かが決めた方向に合わせるだけになってしまうと、自分の仕事はなかなか広がっていきません。
一方で、自分から考え、提案し、声をかけ、必要な人を巻き込んでいく人は、少しずつ仕事の中心に近づいていきます。最初は小さな違いでも、長い時間の中では大きな差になります。
仕事の中で主導権を持つ人は、特別に偉い人ではありません。自分で考え、自分の言葉で伝え、周囲が動きやすいきっかけをつくれる人です。
周囲を動かすには、まず自分が動く
人を動かそうとする前に、まず自分が動いているかが問われます。
自分は何もしないまま、周囲に「やってほしい」と言っても、人はなかなか動きません。反対に、自分が本気で考え、自分から行動し、多少うまくいかなくても前に進もうとしている姿を見せると、その熱量は少しずつ周囲に伝わっていきます。
人が動くのは、命令された時だけではありません。この人は本気でやろうとしている、この仕事には意味がありそうだ、自分も関わった方が面白そうだ。そう感じた時に、人は自分の意思で動き始めます。
周囲を動かす力とは、相手を無理に動かす力ではなく、自分の姿勢によって相手の気持ちを前に向かせる力なのだと思います。
目的を示せないと、人は動かない
人を巻き込むためには、勢いだけでは足りません。
なぜそれをやるのか、誰のために必要なのか、どんな結果を目指しているのかが見えていなければ、周囲は不安になります。どれだけ熱意があっても、目的が曖昧なままでは、人はついてきにくいものです。
だから、周囲を動かす人は、目的を言葉にする力を持っています。
この仕事は何のためにあるのか。この提案によって誰が助かるのか。この企画が実現すると、どんな良い変化が生まれるのか。そうしたことを相手に伝わる言葉に変えることができる人は、周りを前向きに巻き込むことができます。
流され続けると、自分の意思が弱くなる
周囲に引っ張られてばかりいると、少しずつ自分の意思が弱くなっていきます。
言われたからやる、頼まれたから動く、誰かが決めたから従う。もちろん、仕事にはそういう場面もあります。しかし、それだけが続くと、自分で考えて動く力が育ちにくくなります。
自分はどうしたいのか、何を良くしたいのか、どこに向かいたいのかを持たないまま働いていると、いつの間にか人の流れの中で動くだけになってしまいます。
周囲を引っ張る人と、周囲に引っ張られる人の差は、すぐには見えないかもしれません。しかし、数年経つとその差は大きくなります。自分で考え、動き、人を巻き込んできた人には、経験と判断力と信頼が残ります。
周囲を前向きに巻き込む人になる
「周囲を引きずり回せ」という言葉は、今の時代には強すぎる表現かもしれません。
しかし、その本質は、人を乱暴に動かせということではなく、自分が流される側で終わるな、ということなのだと思います。
自分から考え、自分から動き、必要な人に声をかけ、目的を共有しながら周囲を前向きに巻き込んでいく。その経験を重ねた人と、いつも誰かの指示や流れに合わせているだけの人では、長い時間の中で大きな差が生まれます。
仕事は、一人で抱えるものではありません。けれど、人任せにしていても広がりません。
大切なのは、自分が起点になることです。自分の考えを持ち、自分の言葉で伝え、人の力を借りながら、物事を前に進めていくことです。
周囲を動かす人は、周囲を支配する人ではありません。周囲の力を引き出し、同じ方向へ進むきっかけをつくる人です。
そういう人になれるかどうかで、仕事の景色は大きく変わっていくのだと思います。
