mashima
カクテルパーティー効果
にぎやかな場所にいる時でも、自分の名前を呼ばれると不思議と気づくことがあります。
まわりにはたくさんの声がある。会話も重なっている。音楽や物音もある。それなのに、自分に関係のある言葉だけは耳に入ってくる。
このように、たくさんの情報の中から、自分に関係のある情報を自然に選び取る働きを、カクテルパーティー効果といいます。
広告やチラシ、Webサイト、SNSの発信を考えるうえで、この効果はとても大切です。
なぜなら、今の時代は情報が多すぎるからです。
人は、すべての情報を丁寧に見ているわけではありません。むしろ、ほとんどの情報は見過ごされています。その中で目に留まるのは、「これは自分のことかもしれない」と感じた情報です。

人は、自分に関係がある情報に反応する
同じチラシでも、見る人によって反応は変わります。
子育て中の人は、子ども向けの情報に目が行きやすいかもしれません。家を建てたいと考えている人は、住宅や土地の情報が気になります。採用に困っている経営者は、人材募集や会社案内の改善に関する言葉に反応しやすくなります。
つまり、人は情報そのものを平等に見ているわけではありません。
今の自分の悩み、関心、状況、立場に関係するものを無意識に探しています。
だから、宣伝では「良い商品です」と言うだけでは足りません。
それが誰に関係するのか。どんな悩みを持つ人に向けたものなのか。どんな場面で役立つものなのか。
そこが伝わらなければ、情報は相手の中に入っていきません。
「みなさまへ」は、誰にも届きにくい
広告やお知らせでよくあるのが、できるだけ多くの人に向けようとして、言葉がぼんやりしてしまうことです。
「みなさまへ」
「地域の皆さまへ」
「お困りの方へ」
「お気軽にご相談ください」
もちろん、こうした表現が悪いわけではありません。
ただ、あまりにも広すぎる言葉は、見る人にとって自分ごとになりにくいことがあります。
人は、自分に向けられていると感じた時に、はじめて立ち止まります。
たとえば、「ホームページのことでお困りの方へ」よりも、「会社の良さがホームページで伝わっていないと感じている方へ」の方が、具体的な悩みに近づきます。
「チラシを作りたい方へ」よりも、「配ったあとに反応があるチラシを考えたい方へ」の方が、目的がはっきりします。
言葉を少し具体的にするだけで、受け取る人の反応は変わります。
名前を呼ぶように伝える
カクテルパーティー効果を宣伝に置き換えると、「相手の名前を呼ぶように伝えること」が大切になります。
もちろん、本当に名前を呼ぶという意味ではありません。
相手が「これは自分のことだ」と感じる言葉を使うということです。
たとえば、介護予防のチラシなら、「65歳以上の方へ」と伝えるだけで、対象者がはっきりします。さらに「これからも住み慣れた地域で元気に暮らしたい方へ」とすると、年齢だけでなく気持ちにも触れることができます。
採用サイトなら、「求職者の方へ」だけでは少し広いかもしれません。「地元で長く働きたい方へ」「ものづくりの現場で技術を身につけたい方へ」とすれば、読み手は自分の将来と重ねやすくなります。
飲食店なら、「おいしい焼肉を食べたい方へ」よりも、「家族でゆっくり焼肉を楽しみたい方へ」「記念日に少し良い食事をしたい方へ」とした方が、利用する場面が浮かびます。
相手の名前を呼ぶように伝えるとは、相手の状況や気持ちを言葉にすることです。
情報が多い時代ほど、絞ることが大切
今は、誰もが毎日たくさんの情報に触れています。
SNS、ニュース、動画、メール、広告、検索結果、通知。目に入る情報は増え続けています。
その中で、すべての人に向けた
