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あなたはどっち派?商品の普及率で見る顧客の性格診断

皆さんこんにちは。横浜出身研修生のシウマイです。
突然ですが、皆さんはスマートウォッチを使いますか?

世の中には、流行に敏感で新しいものを積極的に買う人と、状況を見て買うかどうかを慎重に判断する人がいます。スマートウォッチなどの新デバイスをすぐに利用する人もいれば、全く興味を持たない人もいます。
こうした身の回りのデバイスやサービスを新たに購入したり更新するのは大事なポイントであり、ビジネスの場面では、社内で利用するシステムやアプリケーションの導入や更新といったことが問題として挙げられることもあるでしょう。

流行に敏感な人たちは、新製品のメリットを誰よりも早く手に入れることができる一方で、慎重な人たちは新製品に関する動向を様々な情報と比較しながら本当に良いのかを見極めることができます。どちらにも利点があるため、人々がどの立場をとるかはそのときの状況によって様々です。

このように人々が新しい製品を受け入れるまでのタイミングは異なっており、世に出た製品は流行に敏感な人から慎重な人へと順を追って広がっていきます。ですから、企業が新商品を市場に送り出す際には、まず顧客がいつ製品を買うのかを時間で分けることで、顧客の性格を大まかに分析することが重要になってきます。
もちろん、どのタイミングで製品を購入するかによって人々が求める価値は変わってきますから、マーケティングの際にはこうした顧客の動向を考慮して、どのような人々に商品を届けたいのかを考える必要があります。
それでは、製品を購入するタイミングが早い順に5つのタイプを紹介します。皆さんはどのタイプでしょうか?

商品購入のタイミングで見る顧客の性格診断

1.「最先端、新技術こそが正義」 最速の人々
一番に新製品を採用する人たちであり、市場全体の2.5%の人があてはまります。

好奇心が高く、新しいという理由だけでも製品を積極的に取り入れる人たちです。
製品のコンセプトや価値観が合致していれば、価格が高いものであっても購入します。
ここに求められるものは「革新的」「最先端」「新技術」などとなります。

2.「影響力で流行を作り出す」 流行に敏感な人々
真っ先に新製品を導入する人たちに続く人たちです。
トレンドに敏感であり、積極的に情報収集を行っていて、全体の12.5%程度を占めています。
多くのインフルエンサー達はこのような人々であり、周囲の人間に製品の詳細や口コミを伝えていきます。
これ以降に製品を購入する人々はここで生まれる口コミなどの評価を重要視するため、この層の行動は製品の普及に大きな影響をもたらします。
この層の人々は様々な情報を比較して良いメリットがあると判断したものを買う傾向があります。
ですから、求められるものは製品の持つ新しさに加えて、「具体的なメリット」「流行する可能性」「従来のモノと比較して優れている点」などがあります。

3.「新たなスタンダードを牽引する 」これからの人々
市場の中心にいる人々の中で、新しい情報に興味を示す人々です。
この層はインフルエンサーなどの情報を利用して慎重に購入を検討します。全体の34%を占めていると考えられています。
流行に乗り遅れることに抵抗があり、広告が出ている製品やインフルエンサーが使っているモノを利用するような人々です。
また、インフルエンサーや広告の影響を強く受けることから、市場全体へ浸透する橋渡しという意味合いを込めて「ブリッジピープル」とも呼ばれます。

この層に求められるものは、「すでに流行し始めている感覚」「製品を採用する明確なメリット」
「流行に乗り遅れることに対する恐怖感」などが挙げられます。 

4.「着実に判断して見極める」 堅実派の人々
新しいものに対しては消極的な層です。
堅実な判断ができ、多くの人が使用していることを確認してから導入します。
メリットはもちろんですが、それ以上にデメリットが少ないことを気にする傾向にあり、市場全体の34%を占めていると考えられています。周囲の動向を注意深く伺いながら、新しい製品を採用している人が半数を超えていると確信したときに採用を検討する傾向があります。

この層に求められるものは、「多くの人がすでに採用している」「採用していない人の方が少数派となっている」「採用してもデメリットや失敗がない」などがあります。

5.「従来の方法を尊重する」 伝統の人々
新しいものには興味関心がなく最も保守的な層で、市場全体の約16%を占めています。

伝統や文化的なものを重んじる人々、あるいは現在のやり方に対してこだわりを持っている人々などがここに入ります。

ここに求められるものとしては、「その製品が長らく定番化している」「他の新しいモノと比較して信頼度が高い」「長い歴史や実績を持っている」などがあります。

このように、新しい製品の導入タイミングで顧客市場を分類する方法を「イノベーター理論」といいます。

商品普及の鍵は「2のインフルエンサーたち」

前述のとおり、インフルエンサーたちはこの後に続く市場の中心の顧客層に大きな影響を与えることから、商品を普及させる鍵を握ると考えられています。しかしながら、2番の人々と3番の人々の間には大きな性質の違いがあり、これを乗り越えて初めて、商品を市場に広く流通させることができます。

具体的な違いは何かというと、2番の層は新しいことに価値を感じ、「誰も使っていない商品を採用し、他者に先んじて製品やサービスを購入する」ことを望む層である一方、3番の層は「多くの人が採用していて安心できる商品を採用し、商品のクオリティが安定している」ことを望む層であることです。

つまり、「他者が使用している」ことを判断材料の1つとして商品を採用する3番の人たちにとって、市場全体の16%というわずかな割合の1,2番の人たちにしか採用されていない状況では、新しい商品の採用を積極的に進めるには少し後押しが足りないことになります。

ここを越えられないビジネスモデルは、しばしば市場が当初の予想よりも大きくならず、事業として採算が取れずに廃業してしまう場合があります。

このギャップのことを「キャズム」と呼び、キャズムを超えて商品を普及させていくためには、2番のインフルエンサーたちの攻略だけでなく、市場のメインを担う3番の人々への働きかけが重要なポイントとなります。

イノベーター理論の活用方法
では、イノベーター理論の5つのタイプの消費者層に対して、それぞれどのようにアプローチするのが良いのでしょうか。

1.最先端「イノベーター」への活用
イノベーターは、新しいモノに非常に敏感で、誰よりも先に新しい情報を得ようとする姿勢を取っており、スタートアップや最新テクノロジーなどに関する情報を常日頃からチェックしています。

ですから、新情報をまとめたWebサイトやSNSに情報を提供し、商品紹介のコンテンツを配信することでイノベーターに向けて直接アピールすることができます。

2.流行を作る「アーリーアダプター」への活用
アーリーアダプターは、自身が商品を使用しレビューを行うことで、信頼できるレビュアーとしての地位の確立を目指します。そこで、製品の普及を目指す企業としては、新製品の優れている点や従来品と比較しての変更点などをまとめた価値の高いレビューを作成してもらえるよう、インフルエンサーに対して働きかけることが効果的です。

具体例を挙げると、「使用ガイド」「よくあるQ&A」など、利用者が気になる点をわかりやすくまとめたコンテンツを作り、スペックなどについて比較しやすくすることなどが有効です。

3.新たなメイン市場「アーリーマジョリティ」への活用
アーリーマジョリティは、インフルエンサーたちのレビューに強く影響を受ける傾向にあります。この層はwebサイトやSNS、Youtubeなどの動画コンテンツなど様々な媒体を用いて情報収集をしますから、商品を広く普及させるためにはより多くの範囲に影響力を持たせる必要があります。

そのため、企業側では人気ブロガーやソーシャルメディア上のインフルエンサーなどに働きかけて、ブログ・YouTube動画・X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSといった媒体で情報を提供する戦略が効果的です。

4.もはや定番「レイトマジョリティ」への活用方法
レイトマジョリティは、新しい製品を採用している人が半数を超えている、あるいは周囲の人間がみんな採用していると確信したときに購入を検討する傾向があります。そのため、企業側では「この製品を使わないなんて、時代遅れである」といった情報をアピールするのが効果的です。

例えば、レビューなどに注力するのに加えて、専門家の評価を集めて、「これだけの人々が使い、称賛している」という信頼を与える情報を提供することが望ましいです。

5.伝統を守る「ラガード」への活用方法
ラガードの層は新しい製品にはほとんど興味を示さないため、積極的にアプローチをしても成果が期待できません。そのため、企業がラガードに対してマーケティングを実施しても、目立った効果を得られずコストを無駄にするおそれがあります。

この層に対して製品をアピールする場合は、製品の新しさ以外にブランドの歴史や実績といった安心感を提示することが効果的です。

まとめ
このように、新たな製品の普及の過程を、これらを採用するタイミングが早い消費者から順番に5つのタイプに分類するイノベーター理論ですが、みなさんはどのタイプに当てはまりましたか?もちろん、購入する商品の種類や経済的な状況によって、どの立場をとるかは変化します。

企業として新たな製品を開発し普及させようとする際は、イノベーター理論が分類する各タイプの特徴を考慮したうえで、自社の製品に最適なマーケティング戦略を立てるよう心がけると良いでしょう。