株式会社間島宣伝事務所

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消費者目線で考える、イマドキの商品のとらえ方とは

みなさんこんにちは。横浜出身研修生の「シウマイ」です。
今回のテーマは前回に引き続き「マーケティング・ミックス」についてです。

前回紹介した「4つのP」については、商品を市場に送り出す際に必要なマーケティング戦略の考え方です。しかしながら、世の中はモノであふれかえっており、良いコンセプトを持つ商品であっても、ターゲットとなる顧客に望まれるものでなければ、ただ市場に飲み込まれるだけの商品になってしまいます。

マーケティング考え方の基本は「こんなモノがあったらいいな」という潜在的な需要を満たし、売れる商品を世に送り出すというところにあります。
これまでに紹介したSTP分析やマーケティングミックスといった戦略は、本来この指標の下に進められるべきです。ですからマーケティングを行う際には、市場を調査するところから、商品を開発して実際に世に送り出すまでの過程において、常に消費者の目線で考えることを忘れてはいけません。

それではここで、マーケティング・ミックスにおける「4つのP」を改めて消費者目線で考えるとどのようになるのかを見てみましょう。

4つのPから4つのCへ

図で紹介する4つのPは、売り手の視点で捉えられたビジネスの考え方です。

これらを顧客の視点から見ると、以下のように変化します。

消費者目線で考える、イマドキの商品のとらえ方とは

①商品 Product ⇔ 顧客価値 Customer Value

顧客価値 Customer Value は商品・サービスの購入や利用を通じて顧客が得られる価値のことです。

利便性や満足感、料金などの直接的な価値だけでなく、ブランドや企業理念への共感、使用した事実をSNSなどで拡散することによる充足感など、商品・サービスに触れることを通じて得られる総合的な「体験価値」全てが顧客価値の範疇に入ります。

②価格 Price ⇔ コスト Cost

コスト cost はその名の通り料金や費用のことを指します。

もちろん、顧客の視点に立つとコストは金銭負担だけではありません。それらを利用するために時間を費やすのであれば、その時間もコストと言うことができますし、またサービスの場合は特定の場所まで移動する手間などが発生する場合もあります。これらのように顧客が負担するもの全てをコストとしてとらえて分析します。
企業が設定した価格が顧客にどのような影響を与えるか、また、その価値に顧客はいくら支払えるかなど、総合的に検討します。

③場所 Place ⇔ 利便性 Convenience

利便性 Convenience は消費者が商品やサービスを利用する際の利便性の高さのことを指します。

近年では、単に購入する際の利便性だけではなく、商品やサービスを認知してからスムーズに決済できるかどうか、そしてその後利用した商品の情報発信がしやすいかどうかなど、「カスタマージャーニー」全体の利便性を分析する必要があります。

④宣伝 Promotion ⇔ コミュニケーション Communication

顧客と企業の間でのコミュニケーションの取り方を指します。

オフラインでの対面イベントや、SNSなどを用いたオンラインでの企画など、多様な媒体を通じて顧客と企業が接点を持つことができます。ブランディング、顧客認知度の向上、商品購入後の情報発信や顧客ロイヤリティの向上など、顧客とのコミュニケーションを工夫すべきポイントは多数あります。

円滑なコミュニケーションとはどのようなものかを顧客視点で検討し、親しみやすさを演出したり質問や相談のしやすい関係を構築することが重要です。

3D Isometric Flat Vector Conceptual Illustration of Customer Data, Client Database Management

4C分析のメリット

インターネットが普及し、個人であらゆる情報収集が可能になった現代では、以前のようにマスメディアを使って大々的に宣伝すれば利益が出る、という状態が見込めなくなっています。

そのため、企業は緻密にマーケティング分析を行い、顧客のニーズに対応した商品やサービスを提供する必要性に迫られているのです。ですから、現代のマーケティング戦略では「顧客目線」で分析を行うことがマストであり、そうしたマーケティングを展開することで以下のようなメリットを得ることができます。

1.顧客が求める商品やサービスを提供できる

4C分析では顧客目線から商品やサービスについて分析を行います。顧客にとって価値があるもの、そして顧客が求めているものなど、顧客のニーズに対応した商品やサービスを企画・開発することがマーケティング戦略の前提です。
顧客の目線に立って分析を行うことで、大々的に広告を打たなくても、インターネット検索などで顧客側から見つけてくれる可能性が高くなり、商品やサービスを受け入れてもらいやすくなる、などのメリットが得られます。

2.付加価値を提供できる

4C分析によって顧客ニーズに対応した商品やサービスを開発していく中で、自社の強みを新たに見つけ、魅力的な付加価値として提供できる可能性があります。
開発した商品やサービスに自社が独自に保有する技術やテクニックを搭載できれば、そうしたオリジナルの機能や特徴で競合他社には真似できない商品として差別化することができます。

4C分析ではこのような自社でできること、できないことが明確になり、付加価値を提供できることにもつながります。

「顧客の目線で」で4Cを活用しよう

4C分析を行う際には、マーケティングを効果的に行うための「STP分析」が欠かせません。

STP分析とは、「Segmentation(セグメンテーション:市場の細分化)」「Targeting(ターゲティング:市場の決定)」「Positioning(ポジショニング:立ち位置の明確化)」の略称で、自社がどこでどのような価値を提供するかを明確化させることです。

STP分析ができていない状態では、正確な4C分析は行えません。市場を細分化して絞り込み、どこに顧客のニーズがあるのかを把握したうえで、自社商品やサービスを提供できるかどうかを予め考える必要があります。

また、4C分析は新しい付加価値を生み出すことだけではなく、企業が扱う既存の商品・サービスについても当てはめることができます。開発から時間が経ち、長年取り扱っている商品であればあるほど、社会環境の変化などによって、現在の顧客ニーズとかけ離れてしまうことがあります。

特に、リニューアルで再販売するときや売り上げが下がっている商品・サービスの分析には4Cを活用してみましょう。