株式会社間島宣伝事務所

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親近効果

レストランで料理も接客も満足していたのに、会計の時の対応が少し雑だった。

すると帰り道では、その最後の出来事ばかりが気になってしまうことがあります。

反対に、途中で少し待たされたとしても、最後に「お待たせして申し訳ありませんでした。ありがとうございました」と丁寧に見送ってもらうと、全体として悪くない印象で帰れることもあります。

人は、最初の印象だけでなく、最後に接した情報にも影響されます。

このように、後から提示された情報の方が記憶や判断に残りやすくなる傾向を「親近効果」と呼びます。

前回取り上げた「初頭効果」が最初の情報の影響を考えるものなら、親近効果はその反対側です。

広告や営業を考える時、「最初にどう見せるか」はよく考えます。

でも実際には、「最後に何を残すか」も同じくらい大切なのだと思います。

レストランで料理も接客も満足していたのに、会計の時の対応が少し雑だった。

すると帰り道では、その最後の出来事ばかりが気になってしまうことがあります。

反対に、途中で少し待たされたとしても、最後に「お待たせして申し訳ありませんでした。ありがとうございました」と丁寧に見送ってもらうと、全体として悪くない印象で帰れることもあります。

広告を見終わった時に、何が残っているか

チラシを一枚読んだあと、そこに書かれていた文章をすべて覚えている人はほとんどいません。

Webサイトでも同じです。

会社の歴史、サービス内容、実績、料金、強みなど、たくさんの情報を見ても、最後には一部しか記憶に残りません。

だからこそ、広告をつくる時には「何を載せるか」だけでなく、「最後に何を覚えて帰ってもらうか」を考える必要があります。

たとえば会社案内の最後に、

「私たちは、売るためだけではなく、お客様のことを理解してからつくります」

という言葉があれば、その会社の考え方が最後の印象として残るかもしれません。

最後の一言には、それまでの情報をまとめる役割があります。

Webサイトの最後は「お問い合わせ」だけでいいのか

ホームページでは、ページの最後にお問い合わせボタンを置くことがよくあります。

もちろん、必要な導線です。

でも、

「お問い合わせはこちら」

だけで終わるよりも、その直前にもう一度安心できる言葉がある方が、行動しやすい場合があります。

「まだ具体的に決まっていなくてもご相談ください」

「現在のホームページを見ながら一緒に考えることもできます」

といった言葉があれば、「問い合わせるほどの内容ではないかもしれない」と迷っていた人の不安を少し減らせます。

Webサイトの最後は、単なる出口ではありません。

それまで読んできた人に、最後にどんな気持ちになってもらうかを考える場所でもあります。

営業では、帰り際の印象が残る

営業の場面でも親近効果を感じることがあります。

一時間の打ち合わせで丁寧な説明をしていても、最後に強く契約を迫れば、「結局売り込みだったな」という印象で終わってしまいます。

反対に、話し合った結果として、

「今日は一度ここまでお持ち帰りいただいて大丈夫です。必要であればまたご相談ください」

と終われば、相談しやすい会社という印象が残るかもしれません。

商談では、説明内容だけでなく終わり方も大切です。

最後の数分が、それまでの一時間の印象を変えることもあります。

納品した瞬間が、本当の最後とは限らない

私たちのような制作会社の場合、完成したホームページや印刷物を納品すると、ひとまず仕事は完了します。

でも、お客様から見れば、その後も使い続けます。

ホームページなら更新や修正が必要になる。

パンフレットなら増刷することがある。

広告なら反応を見て次の改善を考える。

だから、納品時の対応はとても大切です。

「これで完成です。ありがとうございました」で終わるのか。

それとも、今後の使い方や注意点、困った時の相談方法まで伝えるのか。

最後の対応が丁寧だと、「また何かあったらお願いしよう」と思ってもらえることがあります。

新しい仕事を取ることばかり考えるより、今の仕事の終わり方を丁寧にする。

それも次の仕事につながる営業だと思います。

クレーム対応では、最後が特に重要になる

仕事をしていれば、すべてが完璧に進むわけではありません。

ミスが起きたり、お客様から指摘をいただいたりすることもあります。

その時、問題が起きた事実だけではなく、その後どう対応したかが強く記憶に残ることがあります。

最初は不満を持っていたお客様でも、きちんと話を聞き、原因を説明し、最後まで責任を持って対応すれば、「問題はあったけれど、しっかり対応してくれた」という印象になることがあります。

逆に、小さな問題だったとしても、最後の対応が悪ければ不満が大きく残ります。

問題が起きないことはもちろん大切です。

でも、起きてしまった時にどう終わらせるかも、会社への評価に関わります。

メールも最後の一文で印象が変わる

日常の仕事では、メールにも親近効果を考えられます。

長い説明を書いたあとに、

「以上、よろしくお願いいたします」

だけで終わるのと、

「ご不明な点がありましたら、小さなことでもお気軽にご連絡ください」

と終わるのでは、受け取る印象が少し違います。

もちろん、毎回決まり文句を付ければ良いわけではありません。

重要なのは、相手がメールを読み終えた時に、次に何をすればよいか分かることです。

確認してほしいのか。

返信が必要なのか。

こちらから連絡するのか。

最後を整理しておくと、コミュニケーションそのものもスムーズになります。

採用では、面接後の対応まで会社の印象になる

採用活動でも、最後の印象は重要です。

会社説明会が素晴らしくても、その後の連絡が遅い。

面接では丁寧だったのに、結果通知が事務的すぎる。

そうした最後の対応によって、会社への印象が変わることがあります。

求職者は、面接を受けている間だけ会社を見ているわけではありません。

応募した時から、連絡の仕方、面接、結果通知まで、すべてを会社の姿勢として受け取っています。

特に不採用になった人も、その後は地域のお客様や取引先になる可能性があります。

最後まで丁寧に対応することは、採用活動だけでなく会社の評判にもつながります。

広告では「最後に売り込む」より「最後に納得してもらう」

広告の最後になると、どうしても行動を強く求めたくなります。

「今すぐお問い合わせください」

「お申し込みはお早めに」

もちろん、必要な場面もあります。

ただ、そこまで読んだ人は、それまでに多くの情報を受け取っています。

最後に必要なのは、必ずしも強い言葉ではありません。

「自分にも合いそうだ」

「一度話を聞いてみてもよさそうだ」

「この会社なら相談できそうだ」

そんな納得をつくることの方が重要な場合があります。

最後の言葉は、人を押すためではなく、迷っている人の背中を少し支えるくらいでいいのかもしれません。

初頭効果と親近効果は、どちらも大切

前回の初頭効果では、最初に何を見せるかが、その後の印象に影響すると書きました。

今回の親近効果では、最後に受け取った情報も記憶に残りやすいと考えます。

では、最初と最後のどちらが大切なのでしょうか。

私は、広告では両方だと思います。

最初で興味を持ってもらい、最後で納得してもらう。

最初に「続きを見たい」と思ってもらい、最後に「見て良かった」と思ってもらう。

ホームページなら、ファーストビューだけを格好良くしても足りません。

最後まで読んだ人が、どんな印象でページを離れるのかまで考える必要があります。

良い仕事ほど、最後を雑にしない

制作の仕事では、完成直前になると少し気が緩むことがあります。

企画を考え、何度も打ち合わせをして、修正を重ね、ようやく完成する。

すると、「やっと終わった」という気持ちになります。

でも、お客様にとっては、その完成したものを受け取る瞬間が一番大切かもしれません。

ファイルの渡し方。

使い方の説明。

公開後の案内。

請求書やメールの文章。

最後の最後まで丁寧に対応できるか。

そこまで含めて一つの仕事です。

最初に良い提案をする会社はたくさんあります。

でも、最後まで丁寧な会社は、また相談したい会社になります。

親近効果から考える広告と仕事

親近効果とは、後から受け取った情報が記憶や判断に残りやすくなる心理的な傾向です。

広告やWebサイトで考えるなら、最後に何を見せるのか。

営業なら、どんな言葉で商談を終えるのか。

仕事なら、どんな対応で納品を終えるのか。

その一つひとつが、その後の印象に関わります。

私たちの仕事では、どうしても最初の提案やデザインに力を入れます。

もちろん、それは大切です。

でも、お客様の記憶に残るのは、最後の対応かもしれません。

「お願いして良かった」

「また何かあったら相談したい」

「誰かに紹介してもいい会社だ」

そう思ってもらえる仕事は、完成物が良いだけではなく、終わり方まで良いのだと思います。

最初の印象で興味を持ってもらい、最後の印象で信頼を残す。

親近効果を知ると、広告でも仕事でも、「最後までどう伝えるか」を考えることの大切さをあらためて感じます。