株式会社間島宣伝事務所

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認知的不協和

少し高い買い物をしたあと、急にその商品の口コミを調べたくなったことはないでしょうか。

買う前なら悪い評価も気になるのに、購入したあとになると「やっぱりこれを選んで正解だった」と思える情報を探してしまう。反対に、自分が買った商品を否定するような意見を見ると、少し嫌な気持ちになることがあります。

これは、自分の行動と考えの間に矛盾が生まれた時、その居心地の悪さを何とか解消しようとする心理と関係しています。

心理学では、こうした状態を「認知的不協和」と呼びます。

広告やマーケティングの仕事では、「どうすれば買ってもらえるか」に目が向きがちですが、実は購入した後にもこの心理は起きています。

少し高い買い物をしたあと、急にその商品の口コミを調べたくなったことはないでしょうか。

買う前なら悪い評価も気になるのに、購入したあとになると「やっぱりこれを選んで正解だった」と思える情報を探してしまう。反対に、自分が買った商品を否定するような意見を見ると、少し嫌な気持ちになることがあります。

これは、自分の行動と考えの間に矛盾が生まれた時、その居心地の悪さを何とか解消しようとする心理と関係しています。

人は、自分の選択を間違いだったと思いたくない

たとえば、10万円の商品を買ったあとに、似た商品が5万円で売られていることを知ったとします。

「もしかして高い買い物をしてしまったのでは」と感じます。

すると、「でもこちらの方が品質は高い」「長く使えるから結果的には得だ」「サポートがしっかりしているから安心だ」と、自分の選択に意味を持たせようとします。

これは単なる言い訳というより、自分の中に生まれた矛盾を小さくしようとする自然な働きです。

「良い買い物をした」という考えと、「もっと安いものがあった」という情報がぶつかる。そのままでは落ち着かないので、どちらかの意味を調整しようとするわけです。

広告で大切なのは、購入後にも「選んで良かった」と思えること

この心理をマーケティングに利用して、「買った人に都合の良い情報を与えればいい」と考えるのは少し違うと思います。

むしろ大切なのは、実際に選んで良かったと思える体験をつくることです。

高価な商品を購入した直後に、丁寧なお礼が届く。使い方が分かりやすく案内される。困った時には相談できる。購入後にも役立つ情報が届く。

こうした対応があると、お客様は「ここで買って良かった」と感じやすくなります。

購入後のフォローは、単なるサービスではありません。

お客様が自分の選択に納得するための時間を支えることでもあります。

広告と実際が違うと、不協和は大きくなる

認知的不協和は、企業側にとって注意しなければならない場面もあります。

広告では「丁寧な対応」を強く打ち出しているのに、問い合わせをしたら返信が遅い。

採用サイトでは「社員を大切にする会社」と書かれているのに、面接時の対応が冷たい。

高級感のあるホームページなのに、実際の店舗や接客からその印象を感じられない。

こうした時、お客様の中では「広告で受けた印象」と「実際の体験」がぶつかります。

その違和感が大きければ、「思っていた会社と違った」という評価になります。

広告は魅力的に見せればいいわけではありません。

実際の会社や商品と、広告でつくる期待を合わせることが重要です。

デザインを良くしすぎることにも注意したい

制作会社として、ここは特に気をつけたいところです。

私たちは当然、商品や会社を魅力的に見せるためにデザインします。

写真をきれいに撮り、文章を整え、Webサイトやパンフレットを見やすくします。

でも、実態以上に良く見せすぎると、あとで大きなギャップが生まれます。

広告を見て期待した人が実際の商品やサービスに触れた時、「話が違う」と感じてしまえば、そのデザインは結果的に信頼を落とすことになります。

デザインの役割は、実態を隠すことではありません。

その会社が本当に持っている良さを、分かりやすく伝えることだと思っています。

採用では、特に不協和が起きやすい

採用ページでも認知的不協和は起こります。

求職者は、入社前にホームページや求人情報から会社を想像します。

「若手が活躍しています」「風通しの良い職場です」「仕事と生活を両立できます」と書かれていれば、それを前提に応募します。

ところが、入社してみたらまったく違った。

その時に生まれる違和感は大きなものです。

採用サイトを魅力的につくることは大切ですが、良いところだけを見せればいいわけではありません。

仕事内容の大変さや、求められることまで含めて、できるだけ実際の姿を伝えることが、入社後のミスマッチを減らすことにつながります。

広告は人を集めるためのものですが、集めた後まで考える必要があります。

企業自身にも認知的不協和は起こる

認知的不協和は、お客様だけの心理ではありません。

会社の中でも起こります。

「うちの商品は良いものだから売れるはずだ」と考えているのに、実際には売れていない。

この時、「広告が悪い」「お客様が価値を理解していない」「景気が悪い」と理由を外に求めたくなることがあります。

もちろん、それが本当の原因の場合もあります。

でも、もしかすると商品そのものや価格、伝え方に問題があるかもしれません。

自分たちが信じていることと、実際に出ている結果が違う時、その矛盾を認めるのは簡単ではありません。

だからこそ、売れない時ほど「何が悪かったのか」を外だけでなく自分たちにも向けて考える必要があります。

マーケティングは、都合の悪い情報も見る仕事

私たちが広告やマーケティングを考える時も、良い数字だけを見ないようにすることが大切だと思っています。

アクセス数が増えた。

SNSのフォロワーが増えた。

広告がたくさん表示された。

それだけを見ると成功しているように感じます。

でも、問い合わせは増えたのか。購入につながったのか。本当に必要な人に届いたのかまで見なければ、本当の成果は分かりません。

人は、自分の考えを肯定してくれる情報を集めたくなります。

だからこそ、自分たちにとって少し耳の痛い数字や意見にも目を向ける必要があります。

認知的不協和は、お客様の心理を知るためだけではなく、自分たちの判断を見直すためにも役立つ考え方です。

言っていることと、やっていることを合わせる

ブランドづくりで最も大切なのは、結局ここなのかもしれません。

広告で言っていることと、実際にやっていることを合わせる。

「地域を大切にする」と言うのであれば、地域との関わりが実際にある。

「丁寧な仕事」を掲げるのであれば、問い合わせ