「グリーンフィンテック」という言葉を、最近耳にするようになってきました。これは、環境に配慮した取り組みとフィンテック（金融テクノロジー）を組み合わせた、新しい動きのことを指します。地球の未来を考えながら、テクノロジーの力で暮らしやお金の使い方を見直していこうという考え方です。

たとえば、日々の買い物から出るCO₂排出量をアプリで見える化したり、再生可能エネルギーのプロジェクトにスマホから少額投資ができたりと、環境にもお財布にもやさしいサービスが広がりつつあります。

実は私たちも、今年初めに訪れたオーストラリア・シドニーで、そうした動きを実際に目にする機会がありました。現地では若い世代を中心に、「エコな暮らし」と「便利な金融サービス」が自然に結びついていて、地域の小さな取り組みがデジタルの力を通じて社会全体に広がっていく、そんな可能性を感じることができました。

日本でも、ESG投資やサステナブルファイナンスという言葉が少しずつ浸透してきましたが、まだ生活のなかで実感できる場面は多くないかもしれません。けれど、グリーンフィンテックは、きっとこれから私たちの身近なところで活躍していくようになるはずです。「環境のことを考えて選ぶ」ことが、もっと自然なことになる時代がすぐそこまで来ています。

お金の流れを見直すことで、社会全体のあり方も少しずつ変えていける――。そんな未来を、静かに、でも着実に支えてくれるのがグリーンフィンテックなのです。