株式会社間島宣伝事務所

BLOG

shimazaki

「STP分析」の「S」とは?

みなさんこんにちは。横浜出身研修生の「シウマイ」です。

今回のテーマは「STP分析」の「S」です。

「STP分析」とは
Segmentation セグメンテーション
Targeting ターゲティング
Positioning ポジショニング
の3つからなる市場分析の方法です。今回はその中のSegmentation(セグメンテーション)についての解説になります。

Segmentation(セグメンテーション)
Segmentとは「分割」や「断片」を意味する言葉であり、STP分析におけるセグメンテーションとは大きなまとまりである市場をいくつかの特徴に基づいてより小さな集団へと細分化する作業のことを指します。

細分化する項目としては、年齢、趣味、地域、経験など挙げればきりがないほど多種多様であり、セグメンテーションをどの視点で行うかによって、その後につながるマーケティングの戦略が変わりますので、目的をもって慎重に行う必要があります。

「STP分析」の「S」とは?
市場の顧客を小さな集団に細分化するのがセグメンテーション

それでは、セグメンテーションにおいて市場を分析する際に用いる視点となる「変数」を見ていきましょう。

地理的変数(ジオグラフィック変数)
国や地域などの地理的な条件や、経済発展・人口・気候・文化・宗教・生活習慣といったマクロな視点で分割します。
食料品・衣料品・家電製品など、気候や生活習慣が売れ行きに影響を及ぼしやすい製品を取り扱う場合に採用すると効果的です。

例としては以下のようなものです。
・地域・地方
・気候
・人口密度
・都市の規模
・文化、生活習慣

近年はオンラインショッピングや物流が発達しているため、地理的変数にそれほどこだわる必要はないものの、実店舗におけるサービスの提供を主軸とする業種の場合は、やはり地理的変数を重視する必要があります。

戦略の例としては、東西で味の違うカップうどんやそばなどが挙げられます。これは地域によって食文化が異なり好まれる味が違うためです。地域ごとの好みに合わせて商品を展開することによって、顧客の満足度を高めることができ、またカスタマイズされた商品が特別感を高める効果も期待できます。

また自動車であれば、郊外では「中長距離の移動が速く耐久に優れて乗り心地が良い車」が重宝されるのに対し、都市部では「街乗りに適していて小回りが利き燃費の良い軽自動車」が求められるため、企業の広告も地域に合わせてそれぞれの顧客のニーズに訴えるようなものになっています。

人口動態変数(デモグラフィック変数)
年齢・性別・家族構成・年収・学歴など客観的な条件で分割します。
地理的変数に比べると、ややミクロな視点になります。
顧客ニーズとの関係性が強く、測定が容易であることから幅広いケースで採用されています。

例としては以下のようなものです。
・年齢・年代
・性別
・職業
・所得
・家族構成

戦略の例として、玩具などの生活用品を取り扱う場合には「子育て世帯に対しては安全で色味の良い知育玩具の広告を展開する」、また「若者世代には健康維持やエクササイズ用品の体験イベントを開催する」などが考えられます。

心理的変数(サイコグラフィック変数)
社会階層・ライフスタイル・価値観・性格といった条件で分割します。
パーソナリティーに関わる変数で、心理的な面を基準にする特長があります。
消費者1人1人の心理的変数を把握することは容易ではないものの、ターゲットを絞りこんでアプローチを行えば、競合他社との差別化を図りやすくなります。

例としては以下のようなものです。
・性格
・趣味、嗜好

戦略の例としては、煙の出ないたばこが挙げられます。周りの人に不快感を与えたくない喫煙者にとって、煙の出ないたばこはまさにそのニーズを満たす商品です。また、健康志向の高い消費者にとってはは、塩分控えめの食品や糖質を押さえた飲料などが魅力的に映るのではないでしょうか。

心理的変数は消費者の購買意欲に直結しやすく、うまく活用できれば訴求力の高い戦略へとつなげることができます。近年ではSNSの普及などによって消費者ひとりひとりの趣味嗜好を把握することが簡単になってきていますから、マーケティングにおいても非常に価値が高いものと言えます。

また、地理的変数や人口動態変数では「横浜市に住む30代の男性」のような大雑把な区分であっても、実際の志向性は様々ですから、心理的変数を用いて顧客の像を明確にすることは重要な課題となります。

行動変数(ビヘイビアル変数)
顧客が実際に商品を購入した購買歴や製品に関する知識などの行動パターンから分割します。
購入した時間帯や態度、購入経路・頻度などが使われます。

例としては以下のようなものです。
・購入状況
・使用頻度
・製品に対する知識量

ほとんど商品に対して知識がない新規の顧客と、製品に詳しいリピーターとでは求める情報や品質が異なるため、それぞれに適したプロモーション方法や販売を行うことが望ましいです。
戦略の例としては、モニターについて、テレビをよく見るユーザーが対象であれば「予約や録画機能などが充実している」ことを展開し、それに対してゲームをするユーザーには「解像度や更新速度の高いものをアピールする」ことなどが効果的でしょう。

顧客情報を分析する

多様化した消費者を捉える
以上のように、市場という漠然とした集団を目的をもって細分化することで、自社製品の対象となる消費者を明確にするのがセグメンテーションです。
現代の市場では商品が大量に溢れており、また消費者の嗜好も多種多様であるため、大衆に向けた商品を販売するだけでは顧客に響かなくなってしまいます。
そこで、市場の特徴を細分化することができれば、自社製品に合うニーズを発見し、商品を求める顧客に対して自社製品の持つ強みを活かしたマーケティング戦略をとることができます。

またそれに加えて、現在では情報技術の発達によって誰でも簡単に顧客の趣味嗜好や購買履歴などの情報を得ることができますから、これらを活用することでより効果的なセグメンテーションを行うことができます。
そして、もちろんマーケティング戦略を実施した後にも、マーケティングツールを用いて経過を分析することで、どの程度の効果があったのかを確認することができますから、その後のマーケティング戦略をより具体的なものへと進化させることができるでしょう。

効果的にセグメンテーションを行い、売り上げが見込めるマーケティング戦略を実行していきましょう。