株式会社間島宣伝事務所

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お金をもらう仕事と、お金をもらわない仕事

会社には、お金をもらう仕事があります。

それは、それぞれの業種において、日常的にお客様から依頼を受け、対価をいただいて行う仕事です。印刷会社なら印刷物をつくること、制作会社ならホームページやデザインをつくること、動画制作会社なら映像をつくること。お客様の課題や要望に応え、その対価としてお金をいただく。これは事業を続けていくうえで、とても大切な仕事です。

ただ、会社の価値や印象は、お金をもらう仕事だけで決まるわけではないと思います。

むしろ、その会社らしさや価値観は、お金をもらわない仕事の中に表れることがあります。

どれだけ丁寧に仕事をしていても、どれだけ技術があっても、外から見た時に「同じような会社」として認識されてしまうことがあります。

お金をもらう仕事は、業種で見られやすい

お金をもらう仕事は、どうしても業種として見られます。

印刷会社、制作会社、広告会社、動画制作会社、建設会社、飲食店、美容室。もちろん、それぞれの会社には技術や経験、こだわりがあります。しかし、外から見る人にとっては、まず業種名で認識されることが多いものです。

「印刷会社なら印刷をする会社」
「制作会社ならホームページやデザインをつくる会社」
「動画制作会社なら映像をつくる会社」

このように見られると、同業他社との違いが分かりにくくなります。

どれだけ丁寧に仕事をしていても、どれだけ技術があっても、外から見た時に「同じような会社」として認識されてしまうことがあります。だからこそ、会社には業務内容とは別に、その会社らしさが伝わる活動が必要になるのだと思います。

お金をもらわない仕事が、会社の印象をつくる

お金をもらわない仕事とは、単に無料で何かをするという意味ではありません。

会社として大切にしていることを、対価を目的にせず行う活動のことです。地域のために動くこと、若い人に向けて知識を伝えること、人が集まる場所をつくること、自主的に情報を発信すること、文化やまちの魅力を残していくこと。

そうした活動は、すぐに売上になるものではないかもしれません。

しかし、そこにはその会社の価値観が表れます。

たとえば、印刷会社が地域発展のためにお金をもらわずに活動していれば、「地域貢献に力を入れている印刷会社」という印象が残ります。制作会社が人が集う場をつくっていれば、「人とのつながりを大切にしている制作会社」と見られるかもしれません。動画制作会社が自主映画や地域の映像を発信していれば、「表現や文化を大切にしている動画制作会社」として認識されることもあります。

つまり、お金をもらわない仕事は、会社の肩書きにもう一つの意味を加えてくれるのです。

特徴は、業務外の行動から生まれる

会社の特徴を言葉でつくることはできます。

「地域密着」「丁寧な対応」「高品質」「安心」「信頼」。こうした言葉は多くの会社が使っています。しかし、言葉だけでは本当の特徴にはなりにくいものです。

特徴は、何をしているかによって伝わります。

地域のために動いている会社なのか。若い人を育てようとしている会社なのか。人が交流する場をつくっている会社なのか。自分たちの技術を使って社会に何かを還元している会社なのか。そうした行動が積み重なることで、会社の印象は少しずつ形になります。

お金をもらう仕事だけをしていると、どうしても同業他社と比較されやすくなります。価格、納期、品質、実績、規模。もちろん、それらも大切ですが、その比較だけでは、その会社ならではの魅力は伝わりにくい場合があります。

一方で、お金をもらわない仕事には、比較されにくい価値があります。

なぜなら、それは売上のためだけに行っているものではなく、その会社の考え方や姿勢から生まれているものだからです。

無償だからこそ、意味が残ることがある

ここで大切なのは、お金をもらわないからこそ意味がある活動もあるということです。

たとえば、「アドバイスをしてくれる制作会社」という印象をつくりたい場合、そのアドバイスにすべて料金をつけてしまうと、それはコンサルティングサービスになります。もちろん、コンサルティングとして対価をいただくこと自体は悪いことではありません。

ただ、その瞬間に比較の土俵が変わります。

「この会社は気軽に相談に乗ってくれる」という印象ではなく、「コンサル料はいくらなのか」「他のコンサル会社と比べてどうなのか」という見方になります。お金をいただくことで仕事として成立する一方で、無償だからこそ伝わっていた姿勢や空気が変わってしまうこともあります。

無償の活動には、損得では測れない意味があります。

この会社は、売上にならないことにも時間を使う会社なんだ。この人たちは、自分たちの知識や経験を社会に還元しようとしているんだ。そう感じてもらえることがあります。

その印象は、広告でいくら「地域に貢献しています」と言うよりも、ずっと強く残る場合があります。

お金をもらわない仕事は、未来の信用をつくる

お金をもらわない仕事は、すぐに利益にはならないかもしれません。

むしろ、時間も手間もかかります。通常業務の合間に行うので、余裕がなければ続けることも難しいものです。しかし、それでも意味があるのは、その活動が未来の信用につながるからです。

人は、何を売っているかだけで会社を見るわけではありません。

何を大切にしているのか。どんな人たちと関わっているのか。どんな考え方で仕事をしているのか。利益にならないことに、どれだけ誠実に向き合っているのか。そうした部分から、その会社への信頼や好感が生まれます。

もちろん、すべてを無料で行えばいいという話ではありません。

事業として対価をいただくべき仕事は、きちんとお金をいただく必要があります。そこを曖昧にしてしまうと、本業の価値まで下げてしまいます。大切なのは、お金をもらう仕事と、お金をもらわない仕事の役割を分けて考えることです。

お金をもらう仕事は、会社を支える仕事です。
お金をもらわない仕事は、会社の思想や印象を育てる仕事です。

その会社らしさは、何に時間を使うかで決まる

会社らしさは、言葉だけでは伝わりません。

どんな仕事でお金をいただいているのか。そして、お金にならない時間を何に使っているのか。その両方によって、会社の姿は見えてきます。

売上になる仕事だけを追っている会社と、売上にはならなくても地域や人や文化のために動いている会社では、外から見える印象が違います。どちらが正しいという単純な話ではありません。ただ、お金をもらわない仕事には、その会社の価値観がとても出やすいのです。

だからこそ、これからの会社には「何を売るか」だけでなく、「何に関わるか」も大切になると思います。

地域に関わるのか。人を育てるのか。情報を発信するのか。場所をつくるのか。文化を残すのか。困っている人の相談に乗るのか。

そこに、その会社の姿勢が表れます。

お金にならない仕事が、会社の価値をつくる

お金をもらう仕事は、会社を続けるために必要です。

けれど、お金をもらわない仕事は、会社が何者であるかを伝えてくれます。

ただの印刷会社ではなく、地域の未来に関わる印刷会社。
ただの制作会社ではなく、人が集うきっかけをつくる制作会社。
ただの動画制作会社ではなく、自分たちの表現で地域や文化を発信する動画制作会社。

このように、業務内容の前後にその会社らしい意味が加わることで、同業他社とは違う印象が生まれます。

お金をもらわない仕事は、短期的な売上にはならないかもしれません。しかし、長い目で見れば、会社の信用や共感、独自性を育ててくれる活動になります。

大切なのは、無料にすることではありません。
安売りをすることでもありません。
自分たちの価値を下げることでもありません。

会社として大切にしたいことを、対価の比較から離れた場所で行うことです。

その積み重ねが、会社の思想になり、印象になり、やがて選ばれる理由になっていくのだと思います。