mashima
AI時代でも、デザイン業界で残る人
ソフトが使えるだけでは、差がつきにくい時代になった
デザイン業界でこれから残っていく人は、単にソフトを使える人ではないと思います。
PhotoshopやIllustratorを触れること、AIで画像を出せること。それ自体は、もう特別なことではなくなってきました。今は、ある程度の形なら、誰でもそれっぽく作れてしまう時代です。
だからこそ差が出るのは、操作のうまさよりも、その前にある「何を、誰に、どう伝えるのか」を考えられるかどうかです。道具が便利になればなるほど、最後に問われるのは、技術そのものよりも、考える力なのだと思います。

お客様が本当に困っていることは、見た目の問題だけではない
たとえば、同じホームページをつくる仕事でも、お客様が本当に困っていることは「デザインを変えたい」ではないことが多いです。実際には、問い合わせが来ない、自社の強みが伝わらない、採用につながらない、気づけば価格で比べられてしまう。そうした悩みが重なった先に、「そろそろホームページを見直したい」という言葉になっていることが少なくありません。
本当の課題は、もっと別のところにあります。そこを整理しないまま、見た目だけを整えても、大きな意味では解決にならないことが多いのです。つまりデザインの仕事は、きれいに見せること以上に、相手の中にある曖昧な悩みを整理して、「こういうことだったのか」と見える形に変えていくことなのだと思います。
デザインは、目に見えないものまで扱う仕事
また、デザインは見た目だけで成立するものでもありません。
会社にはそれぞれ空気があります。社長の考え方があり、現場の温度があり、長く積み重ねてきた信頼があります。地域の中で商売している会社なら、その土地ならではの距離感や言葉のニュアンスもあります。そういう目に見えないものを感じ取り、ちゃんと表現に乗せていくことが、本当の意味でのデザインだと思います。ただ整っているだけではなく、その会社らしさが伝わること。そこに、デザインの大事な役割があります。
AIは便利。でも、意味までは決めてくれない
AIは、たしかに便利です。
発想を広げることもできるし、たたき台をつくるスピードも早い。今まで1時間かかっていたことが、10分で動き出せる場面もあります。
でも、その中から何を選ぶか、何を捨てるか、どれが本当にその会社や商品に合っているかを決めるのは、やはり人の仕事です。AIは案を出してくれますが、意味までは決めてくれません。方向を決めるのは人ですし、その表現に責任を持つのも人です。
これから価値が上がるのは、人にしかできない力
だからこれからのデザイン業界で本当に大事になるのは、AIを怖がることではなく、AIを使いながらも、人にしかできない部分をもっと深くしていくことだと思います。
相手をよく観察すること。話をちゃんと聞くこと。言葉になっていない想いをくみ取ること。
そして、それを伝わる形に変えること。こうした力は、AI時代になればなるほど、むしろ価値が上がっていくはずです。
最後に残るのは、意味のある表現ができる人
便利な道具が増えたからこそ、最後に問われるのは「何をつくれるか」だけではなく、「なぜそれをつくるのか」を考えられるかどうかです。
デザイン業界で残るのは、うまく作る人ではなく、意味のある表現ができる人。
そこは、これからも変わらない大事なところだと思います。
