mashima
「できない」と思う前に育てたい力
何かに挑戦しようとしたとき、最初から「自分には無理かもしれない」と感じてしまうことがあります。
新しい仕事を任されたとき。人前で話さなければならないとき。今まで経験したことのない分野に踏み出すとき。
そんな場面で足が止まってしまうのは、単に性格が弱いからではないと思います。
また、自分に価値がないと思っているからとも限りません。大きく関係しているのは、「自分ならやれるかもしれない」と思える感覚です。

自信と、行動できる感覚は少し違う
よく「もっと自信を持とう」と言われます。
しかし、自信という言葉はとても広く、時には曖昧です。
自分という存在を肯定することも自信ですし、得意なことがあると感じることも自信です。
一方で、目の前の課題に対して「これなら取り組めそうだ」「少しずつなら進められそうだ」と思える感覚は、もう少し具体的です。
この感覚がある人は、最初から完璧でなくても動き出すことができます。
反対に、この感覚が弱いと、能力がまったくないわけではないのに、挑戦する前から自分でブレーキをかけてしまいます。つまり、問題は才能の有無ではなく、「やってみる前の見通し」にあることが多いのです。
小さな成功体験が、次の一歩をつくる
行動できる感覚は、いきなり大きく育つものではありません。
大切なのは、小さくても「できた」と思える経験を積み重ねることです。
たとえば、いきなり大きな成果を目指すのではなく、まずは一つだけ調べてみる。
一人で完璧に仕上げようとせず、途中で誰かに相談してみる。
大きな挑戦を細かく分けて、今日できることから始めてみる。
このような小さな行動が、少しずつ自分の中に「前にもできた」「今回もやれるかもしれない」という感覚を育てていきます。
仕事でも同じです。
新しい企画、営業、デザイン、文章作成、ホームページ制作。
最初からうまくできる人はいません。けれど、ひとつの経験を振り返り、次に活かすことができれば、それは確実に自分の力になります。
まわりの言葉も、人の挑戦を左右する
人は、自分ひとりの考えだけで行動しているようで、実はまわりの言葉にも大きく影響されています。
「それは難しいと思う」「前例がない」「失敗したらどうするの」
そんな言葉を何度も受けていると、挑戦する前に気持ちが小さくなってしまいます。
反対に、
「まずは小さく試してみよう」「ここまではできている」「次はこうすれば良くなる」
こうした言葉があるだけで、人は少し前に進みやすくなります。
人を育てる職場やチームには、能力を責める空気よりも、行動を後押しする空気が必要です。
挑戦を否定するより、挑戦を分解して、できる形に変えてあげること。
それが、個人の成長にも、組織の成長にもつながると思います。
「できる人」になる前に、「試せる人」になる
成長する人は、最初から何でもできる人ではありません。
むしろ、できるか分からないことに対して、小さく試せる人です。
失敗しないことを目指すより、失敗しても学べる形にする。
大きな自信を持とうとするより、小さな成功体験を増やす。
自分を責めるより、次に進む方法を考える。
そうやって少しずつ、「やってみてもいい」と思える自分を育てていくことが大切です。
「できない」と思った瞬間に終わりではありません。
その言葉の奥には、まだ経験していない不安や、見通しの立たなさがあるだけかもしれません。
だからこそ、最初の一歩は小さくていい。
完璧な準備がなくてもいい。
少しやってみて、少しできたことを確認する。
その積み重ねが、挑戦する力を育てていきます。
人は、自信があるから動けるだけではありません。
動いてみることで、自信の土台ができていくのだと思います。
