mashima
農産物のパッケージデザイン。
以前、きのこのパッケージデザインをお手伝いした。
きのこをフィルムでできた袋に入れて店頭で販売するため、そのフィルムに商品名などを入れてデザインをつくるといったお仕事。
クライアントとの打合せは面白いアイディアが生まれ盛り上がった。
デザインの方向性はおおよそ決まった。
パッケージデザインは販売の現場を見に行くことが大事だ。
そのため近くのスパーに行き、野菜売り場へ念のためリサーチに行った。
すると売り場には、これまで想像していたパッケージデザインのきのこはなく、袋のすみにロゴがシンプルに配置されているだけのものだった。
大手の商品がならぶ売り場もシンプルなデザインだった。
つまり、きのこなどの商品は素材そのものが宣伝効果のあるものであり、
素材をどのように見せるかの方が販売促進として重要ということに気が付いた。
現場を見てなければ、PCを駆使してどんなビジュアルを作ろうかと考えがちなデザインファーストの悪い部分がでてしまうところだった。
やはりデザインで重要なことを順番にあげるとするならば1番に利用者の深層心理をどれだけ想像して理解できるかが大切。
どちらかというとデザイン業界はPhotoshop、Illustratorをどれだけ使いこなせるかみたいな技術論が先行する。たしかに仕事の「道具」は大切ですが、肝心なことが身についていなければ、まずい料理を自信満々でつくる料理人と同じだ。
「何であの商品は飛ぶように売れているんだろう?」「何であのお店には人が並ぶのだろう」なんてことを日々思いながら、観察力をもっと身につけることが企画デザインを仕事にしていくために必要だ。