株式会社間島宣伝事務所

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shimazaki

「高いものは良いもの」

みなさんこんにちは。横浜出身研修生の「シウマイ」です。

今回もマーケティングについて学んでいきます。

前回まではブランドの成り立ちについてのお話でした。
ブランドは強力な価値を生み出すものであり、品質では数万円のものもブランド品では何十万円にもなります。
このように品質に支えられたブランドは商品の価値を品質以上に高めることができますが、もちろん商品の価値はその他にも様々な要因によって決まります。

品質の良いものが高価格であることは当然ですが、ブランドに頼らずとも、商品の価値を品質以上に高めるものがあります。

それは「価格」です。

価格には商品の品質を表示する機能があり、マーケティングにおいて重要なのは「品質の良いものが高価格である」ことの逆です。
つまり、「高価格であることによって商品が高品質になる」ということです。

もちろん、実際に商品の品質そのものが変化するわけではありませんから、
正しくは「高価格であることによって商品の価値が上がる」、といった方が良いでしょう。

これは何故かというと、人は「高価格なものは品質が良いもの」と考えるからです。
そして「高価格なものは品質が良いもの」と人々が考えるのであれば、
値段設定を高くすることによって商品の価値が高いと思わせることができるということです。

しかしながら世の中には「高品質で低価格」を売りにした商品が多く出回っています。
これらの商品は一見すると魅力的に感じますが、
結局のところ同じ品質のブランド商品にはかなわず、「値段相当でそこそこの品質」と思われるのが落ちです。
実際に高品質を求める人にさえ、まずは少し品質の劣る価格の高いブランドの商品が選ばれ、
その次の選択肢として候補に挙がる程度にとどまっています。


ブランド商品よりも高品質であることをアピールするためには、ブランド商品に劣らない高価格を設定することが重要なのです。
ですから「低価格」を売りにすることには意味がありません。
いつも高い商品が稀に値が下がることで初めて「低価格」であることに価値が生まれ、顧客は商品に飛びついてくれるのです。

高いものは良いもの

「低価格」を売りにすることは他にも問題があります。それは「値下げの危険性」です。
多くの顧客にとって値下げは魅力的なものですが、この戦略には落とし穴があります。

スターバックスはクーポンの配布を行いますが、商品の値下げをすることはありません。
その理由は「値下げの危険性」を体験しているからです。

過去にスターバックスはお客様感謝デーとして20%オフの値下げを実施したことがありますが、その結果はあまり良いものとは言えませんでした。
期間前の数週間には売り上げが激減し、反対に当日は来客が激増しました。
その結果、店頭では顧客の要求に答えたサービスができなくなり、また翌日の在庫が確保できないなど様々な問題が多く発生しました。
スターバックスは「スペシャルなコーヒー」を提供できなくなることが何よりも顧客満足度に関わるとして事態を重く受け止め、
以降、同様の値下げは廃止となりました。

このように、値下げは様々な問題を引き起こす可能性があるのです。
さらに、「この商品は値下げすることがある」という認識は「それまでは購入を控えよう」という心理を生みます。
これによって商品の購入の検討以前に「値下げがあるかどうか」という余計な思考が挟まることで
価格設定による商品の価値が正しく顧客に伝わらなくなり、結果として機会の損失と商品価値の低下につながります。

価格は商品の価値を決める重要な手段です。安易に下げると利益が得られないばかりか、
ひいては商品の品質そのものが低いと思われてしまうことになり得ます。
低価格で戦うことはトップシェアの大企業でもない限りやってはいけないのです。

価格を正しく設定し、顧客からの評価を不必要に下げないことで、商品の価値を健全に保つことができます。